貨物利用運送事業【Q&A:基本編3】

Q6.外国事業者とは?

A.貨物利用運送事業の輸送モードのうち、「外航海運」「国際航空」については、「外国人事業者」という区分があります。

この「外国事業者」というのは、以下に該当する事業者のことを言います。
①日本国籍を有しない者(いわゆる外国人)
②外国又は外国の公共団体若しくはこれに準ずるもの
③外国の法令に基づいて設立された法人その他の団体
④法人であって、①~③までに掲げる者がその代表者であるもの又はこれらの者がその役員の3分の1以上若しくは議決権の3分の1以上を占めるもの(いわゆる外資系企業のケース)

この外国事業者に該当する場合は、後述する「相互主義」による参入規制に抵触するおそれがあるため注意が必要となります。

また、手続きの面では、外国事業者は、利用運送約款の認可申請が不要だったり、事業概況報告書の提出が不要だったりと、邦人事業者と比べて若干手続きが簡略化されています。

Q7.外国事業者における相互主義とは?

A.「相互主義」とは、我が国企業と外国企業が国際利用運送事業(国際航空及び外航海運を利用した運送事業)の分野において公正な事業活動の遂行を確保するために採用されている参入規制を言います。

すなわち、諸外国における国際貨物運送に係る貨物利用運送事業に対する規制の態様は様々で、国家貿易国等のように他国企業の参入をほとんど認めていない国の企業については、当該国の規制を背景として当該国内で優位な事業活動をしています。

そのため、我が国において自由な事業活動を認めることは、市場の独占、運賃の著しい攪乱等により国際利用運送事業の分野において公正な事業活動の遂行が確保されない恐れがあります。

他方、貨物利用運送事業に対し全く規制を行っていない国の企業に対し、仮に我が国が強い参入規制を実施することも、国際利用運送事業の分野における公正な事業活動を妨げることになります。

よって、我が国企業と外国企業とが国際利用運送事業の分野において公正な事業活動の遂行を確保するために一律の規制を行うのではなく、外国が我が国企業に対して行っている取扱いに着目して、それぞれの企業が事業活動を遂行するための条件の均等化を図ることとしています。