貨物利用運送事業【Q&A:航空編】

Q1.航空貨物運送における一般混載事業と宅配便事業の違いとは?

A1.一般混載事業とは、主に企業の複数の貨物を取り扱う事業のことで、荷主の複数の貨物を1つの運送状で対応することが一般的となっています。

また、料金については、複数貨物の最終配達場所が異なることに鑑み、航空運送部分に係る運賃、集荷、配達に係る料金にそれぞれ区分されており、料金については地域制となっています。

なお、この一般混載事業を行うには、航空貨物代理店となる必要があります。

一方、宅配便事業とは、主に一般消費者の貨物を取り扱う事業で、一般消費者の一つの貨物を一つの運送状で対応することが一般的となっています。

対象を一般消費者の貨物としていることから分かりやすい商品とすることが求められています。具体的には、料金については、ドアツードアの通し運賃、地帯制の料金体系となっているとともに、商品に特別な名称を付与することが求められています。

Q2.航空貨物代理店になるには、どのような手続きが必要か?

A2.航空貨物代理店になるには、航空法第133条に基づき、次に掲げる事項を記載した航空運送代理店業経営届出書に代理店契約書を添えて国土交通大臣に提出することが必要となります。
(1)氏名及び住所
(2)届出をする者が法人であるときは代表者及び役員の氏名
(3)当該代理店契約の相手方の氏名及び住所
(4)事務所又は営業所の名称及び所在地
(5)当該代理店契約の概要
(6)届出をする者が現に経営している事業があるときはその概要
(7)営業開始の予定期日

Q3.外国人等は、なぜ、国内航空の貨物利用運送に係る登録や許可を取得できないのか?

A3.国内航空に係る貨物利用運送事業を外国人、外国法人等が行えない(貨物利用運送事業法第6条第5項)理由は、実運送事業である国内航空運送事業について、外国人、外国法人等が航空運送事業を行えないことにしていることを踏まえたものです。

すなわち、航空運送については、シカゴ条約により領空主権が確立しており、また領空主権の考え方をもとにカボタージュ(国内貨客輸送)の自国籍航空機への留保が行えることとされています。そのため我が国の航空法も領空主権の考え方を徹底し、外国人及び外国法人等を欠格事由対象者とし、国内航空運送事業を行えないよう規定しています。
 
つまり、国内航空の貨物利用運送事業を外国人、外国法人等も行えることにすると、実質的に、国内航空貨物運送を外国人、外国法人等が行うことになり、実運送において自国籍航空機への留保を行なっている意味が失われることになります。そのため、従来航空法において外国人、外国法人等に対し国内航空運送事業を禁止していることにならい、本法でも同様の措置を講じています。