通関業許可申請のポイント(その1)

通関業許可申請のポイントとしては、先ず、次の許可基準を満たす必要があります。

(許可基準)
①通関業の経営の基礎が確実であること
→管轄の税関管内に営業所を有していることも求められます

②通関業務を適正に遂行しうる人的な構成が整っていること
→コンプライアンスプログラムの策定が求められます

③通関業務の取扱見込件数が一定数量確保できていること

①の「通関業の経営の基礎が確実であること」とは、申請者の資産内容が充実し、収支の状況が健全であり(申請者に繰越欠損金がなく、当期利益がある。)、通関業務を営むための必要な設備が整っていると認められることをいいます。

※3期分の決算書類の提出が求められるため、会社の財務状況についても厳しく審査されます。

②の基準については、通関業務に携わる通関士及びその他の従業者の人的資質(通関業に関する知識・経験、法令遵守の高い意識など)、全体としての組織体制やこれらを担保するためのコンプライアンスプログラムの策定が求められます。

※新たに通関部門を立ち上げる場合には、人の採用からスタートする必要があるため、どのような組織体制を構築するかがポイントとなってきます。

通関業許可申請に当たっては、最初から上記基準を満たしているケースはまずないことから、申請基準に適合するように財務基盤を強化したり、通関業務を行う営業所を確保したり、通関業務に通じた適任者を採用したりすることが求められます。

このことから通関業許可申請において行政書士に求められる役割は、単なる書類作成に留まらず、通関業の許可基準を満たすためのアドバイスやコンサルタント的な役割が求められます。

通関事業を立ち上げるために通関士を採用したはいいけれど許可基準に適合しないため、さらに別の人を採用しなければならなくなったなどのリスクを回避するためにも、通関業への新規参入をご検討の方は、一度、専門家にご相談されることをお勧めします。