目次
1.鉄道貨物輸送とは
鉄道貨物輸送とは、国内間を運行する鉄道車両による貨物の輸送をいいます。
貨物利用運送事業の場合には、実運送事業者たる貨物鉄道会社を利用して行う貨物の運送をいいます。
貨物駅間の鉄道輸送のみ委託する場合には、第一種鉄道のライセンスが必要となります。
また、鉄道による基幹輸送に加えて貨物自動車による集荷・集配業務を委託する場合には、第二種鉄道のライセンスが必要となります。
2.第一種鉄道の必要書類について
第一種貨物利用運送事業登録申請について
- 貨物利用運送事業登録申請書
- 事業計画
- 利用する運送を行う実運送事業者又は貨物利用運送事業者との運送に関する契約書の写し
→鉄道貨物の取扱に関する契約書(鉄道運送事業者等との業務提携契約書等)の写し。特に契約書の形式は問われませんが、次の様な事項が含まれていることが求められます。
a.委託する業務内容に鉄道の手配に関する記述があること
b.事業の計画に記載のある拠点駅が記述されていること
c.契約書の有効期間が適切であること
d.社印が押印されていること - 会社定款の写し
→会社定款の事業目的に「第一種貨物利用運送事業」又は「貨物利用運送事業」の文言が入っていること - 会社登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 直近の事業年度における貸借対照表の写し
→貸借対照表にて基準資産額を確認します(「貨物利用運送事業の要件」をご参照ください) - 役員名簿(監査役を含む全ての役員分)
- 役員の履歴書(監査役を含む全ての役員分)
- 宣誓書
イ.貨物利用運送事業法第6条第1項各号に規定する登録拒否要件に該当しないこと(監査役を含む全ての役員分)
ロ.事業所及び営業所、保管施設の使用権原を有すること
ハ.事業所及び営業所、保管施設が都市計画法等関係法令に抵触しないこと - (保管施設を使用する場合)保管施設の概要
利用運送約款設定認可申請について
- 利用運送約款設定認可申請書
- 利用運送約款
※国土交通省の定める標準鉄道利用運送約款を使用する場合には、貨物利用運送事業法第8条の規定に基づく認可は不要となるため、利用運送約款設定認可申請は不要です
運賃料金設定届出について
- 運賃料金設定届出書
- 基本運賃率表及び適用方法
※登録後、運賃料金を設定してから30日以内に上記書類を提出する必要があります
3.第二種鉄道の必要書類について
第二種貨物利用運送事業許可申請について
- 貨物利用運送事業許可申請書
- 事業計画
- 集配事業計画
- 利用する運送を行う実運送事業者又は貨物利用運送事業者との運送に関する契約書の写し
→鉄道貨物の取扱に関する契約書(鉄道運送事業者等との業務提携契約書等)の写し。特に契約書の形式は問われませんが、次の様な事項が含まれていることが求められます。
a.委託する業務内容に鉄道の手配に関する記述があること
b.事業の計画に記載のある拠点駅が記述されていること
c.契約書の有効期間が適切であること
d.社印が押印されていること - 集配を他の者に委託する場合:受託者との集配業務委託契約書の写し
→貨物の集配を自らの自動車を使用して行う場合(※) - 会社定款の写し
→会社定款の事業目的に「第二種貨物利用運送事業」又は「貨物利用運送事業」の文言が入っていること - 会社登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 直近の事業年度における貸借対照表の写し
→貸借対照表にて基準資産額を確認します(「貨物利用運送事業の要件」をご参照ください) - 役員名簿(監査役を含む全ての役員)
- 役員の履歴書(監査役を含む全ての役員)
- 宣誓書
イ.貨物利用運送事業法第22条各号に規定する登録拒否要件に該当しないこと(監査役を含む全ての役員分)
ロ.事業所及び営業所、保管施設の使用権原を有すること
ハ.事業所及び営業所、保管施設が都市計画法等関係法令に抵触しないこと - (保管施設を使用する場合)保管施設の概要
- 貨物利用運送事業部門の組織体制の概要
→当該部門の責任者及び指揮命令系統が明確になる資料(組織図等)
※…貨物の集配を自らの自動車を使用して行う場合
(1)計画する事業用自動車の使用権原を証する書類
a.購入する場合:売買契約書又は売渡承諾書(写)
b.リースの場合:自動車リース契約書、自動車検査証(写)
c.既に所有している車両を使用する場合:自動車検査証(写)
(2)車庫前面道路の道路幅員証明書
(3)事業用自動車の運行管理の体制を記載した書類
①運行管理者資格者証(写)
②運行管理者、整備管理者、運転者の就任承諾書等又は同意書
③勤務割、乗務割
④乗務員名簿
⑤運転免許証(写)など
利用運送約款設定認可申請について
- 利用運送約款設定認可申請書
- 利用運送約款
※国土交通省の定める標準鉄道利用運送約款を使用する場合には、貨物利用運送事業法第26条の規定に基づく認可は不要となるため、利用運送約款設定認可申請は不要です
運賃料金設定届出について
- 運賃料金設定届出書
- 基本運賃率表及び適用方法
※許可後、運賃料金を設定してから30日以内に上記書類を提出する必要があります
4.登録・許可後の手続きについて
運賃料金設定届出について
貨物利用運送事業者は、事業開始前に運賃料金を設定し、運賃料金設定日から30日以内に申請先に運賃料金設定届出書を提出する必要があります。
定期報告書(事業概況報告書・事業実績報告書)の提出について
貨物利用運送事業免許を取得すると、貨物利用運送事業者には、毎年、国土交通省又は地方運輸局へ定期報告書を提出することが義務付けられます。
この定期報告書には、事業概況報告書(いわゆる営業報告書)と事業実績報告書の2種類があります。
- 事業概況報告書
貨物利用運送事業者の直近1事業年度の営業実績について、報告書にまとめた上でこれを毎年事業年度末日から100日以内に提出する必要があります。
例えば、3月31日が事業年度末日の事業者の場合、事業年度末日から100日後の7月10日が事業概況報告書の提出期限となります。 - 事業実績報告書
前年4月1日から翌年3月31日までの貨物の取扱い実績について、報告書にまとめた上でこれを毎年7月10日までに提出する必要があります。
例えば、平成31(令和元)年度の場合、平成31年4月1日から令和2年3月31日までの貨物利用運送事業の取扱実績を各輸送モードごとに報告書にまとめた上で、令和2年7月10日までにこれを提出する必要があります。
役員変更届出について
上場企業などの大手企業の事業者の場合は、事業年度末日が3月31日であることが多く、6月末に定時株主総会を開くケースが多いと思います。
この定時株主総会にて監査役を含む役員の変更があった場合には、国土交通省又は地方運輸局へ上記定期報告書と併せて役員変更届出書を提出する必要があります。
なお、代表役員の変更があった場合には、1か月以内に役員変更届出をする必要がありますが、代表役員以外の変更については、1年間分の役員変更をまとめて7月31日までに届出をすることが認められています。
この上記2点の書類の提出は、貨物利用運送事業免許を維持する上で必須の事後手続に該当するため、事業者の方は、毎年のこれらの事後手続を失念しないよう十分にご注意ください。
当事務所では、貨物利用運送事業の新規免許取得の支援(輸送モードの追加を含む)の他に、免許取得後の各種手続、国土交通省及び地方運輸局による行政監査・行政処分対策についても取り扱っておりますので、ご気軽にお問い合わせください。
<サポート内容>
1.申請から登録・許可まで
①新規登録・許可申請に向けた申請条件の確認及び助言(国土交通省及び地方運輸局への事前相談を含む)
②準備書類一式のご案内及びヒアリングシート・添付書類(様式)のご送付
③新規登録・許可申請書類の作成及び申請先窓口への提出
④申請後の補正対応(国土交通省及び地方運輸局とのやり取りなどの窓口業務を含む)
2.登録・許可後から事業開始まで
①運賃料金設定届出に向けた助言(国土交通省及び地方運輸局への事前相談を含む)
②ヒアリングシート及び基本運賃率表・適用方法(記入例)のご送付
③運賃料金設定届出書類の作成及び申請先窓口への提出
<料金>
区分 | 費用(登録免許税) ※新規 |
報酬 |
第一種貨物利用運送事業登録申請(運賃料金設定届出を含む) | 90,000円 | 200,000円~ (220,000円~) |
第二種貨物利用運送事業許可申請(運賃料金設定届出を含む) | 120,000円 | 250,000円~ (275,000円~) |
※役員数が6名以上の場合には、30,000円~(税込33,000円~)の追加報酬をお支払いただきます
※利用する運送事業者が6社以上の場合には、30,000円~(税込33,000円~)の追加報酬をお支払いただきます
登録・許可後の手続き | 報酬 |
運賃料金設定届出のみ ※1輸送モード | 50,000円~ (税込55,000円~) |
定期報告書(事業概況・実績報告書)提出 ※1輸送モード |
40,000円~ (税込44,000円~) |
役員変更届出 ※5名まで | 30,000円~ (税込33,000円~) |
※2輸送モード以上の場合には、1輸送モードを追加する毎に10,000円(税込11,000円)の追加報酬をお支払いただきます
※役員数が6名以上の場合には、5名追加する毎に10,000円~(税込11,000円~)の追加報酬をお支払いただきます
なお、初回のご相談は無料でお受けしておりますので、ご気軽にお問い合わせください(ただし、出張相談を除きます)。
※当事務所では新型コロナ感染症対策の一環として、現在、ZoomやLINEなどのビデオ通話を利用した無料相談も行っております
初回ご相談は無料 お気軽にご連絡下さい03-6362-9195営業時間:平日10:00~18:00(事前予約あれば土曜・夜間も対応)
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